この記事では、私が7年間弁当屋のフランチャイズでお店を経営していた経験から、始めるときの注意点、実際の業務、収支情報等、メリット、デメリットをお伝えします。これからフランチャイズに加盟しようと考えていらっしゃる方の参考になれば幸いです。
はじめに
まず、皆さんはなぜフランチャイズに加盟しようと考えているのですか?
「今の仕事が嫌だから」「会社で嫌いな上司がいるから」「フランチャイズに加盟すれば、もっと稼げるから」「オーナーになって自由になりたいから」等、色々な考え方があると思います。
どれをとっても不正解はありません。決めるのはあなた本人ですから。
ただ、フランチャイズを経験した先輩から言わせてもらうと個人で加盟するのはやめなさい!と言わせてもらいます。
(ちなみに、私も前の会社でパワハラを受けて会社を辞め、フランチャイズを始めた経緯があります。)
最初から身も蓋もない話になってしまいましたが、これが今の本音です。
前提としてフランチャイズは、本当の意味での独立ではありません。会社に勤めていた頃の上司が、本部に変わるだけです。そこを踏まえて以下でそれぞれの項目を解説していきます。
フランチャイズに向いている人、向いていない人、最初のお金の事、業務内容、実際には収支はどうなのか、4つのポイントに絞っていきます。最後にメリット、デメリットもお伝えします。
フランチャイズに向いている人
決められた事を、素直に実行できる人。
資金を全て自己資金で賄える人
加盟して半年は生活できる蓄えがある人
自分で考えて動ける人
計画的に多店舗展開を考えている人
加盟してからの将来の計画ができている人
フランチャイズに向いていない人
加盟すれば利益が出ると思っている人
本当の意味で独立をしたいと思っている人
本部からの返金(前月の利益)が全部使えると思っている人
自分で考えて行動できない人
何かあったら全て本部に頼ろうとする人
人を使うのが苦手の人
どうですか?
皆さんはどちらの方に当てはまりますか?
フランチャイズ契約を結んでオーナーになるという事は、本部の指示は全て守るという意識を持たないと続きません。
先にも上げあましたが、自分の力で独立をしたいと考えている人は、絶対にフランチャイズはやめたほうがいいです。
精神的に本部いう通りにやっているとどっかで嫌になる時がきます。
意識の持ち方
何よりも、ここが一番大切なポイントです。
たとえフランチャイズだとしても、自分で経営をしていこうという意識が無かったらまず続きません。
本部がなんとかしてくれるだろう、とか何でもかんでも本部を頼れば上手くいくだろうなんていう意識を持っているならば、加盟は最初から諦めた方がいいです。
そういう意識の方はサラリーマンを続けたほうが幸せになります。
基本的に経営者になるのか、ただ作業をこなすオーナーになるのか、ここが成功するかしないかの分かれ道になります。
お金の事
加盟金
まず、フランチャイズに加盟するには加盟金が必要になります。この金額は、加盟する業種によって変わってきます。
安くても300万円〜以上かかります。これは最低最初に必要になってくる金額です。
私の加盟した本部は、500万円でした。当然そんな貯金もなかったので本部保証で銀行から借りました。
まず、ここから間違っていたのですが。この支払いが毎月10万円✖️60ヶ月。毎月、利益が30万円出たとしても、10万円を支払いに当てたら20万円しか残りません。
これで生活をしていくのはとても厳しいですよね。
もし、みなさんが本当にフランチャイズに加盟したいのなら、絶対に自己資金で初めてください。
本部によっては、低金利で融資しますよというところもありますが、もともとフランチャイズでは余程頑張らないと、毎月の負債は重くのしかかってきます。
また、この加盟金プラス開業資金が必要になります。
開業に必要な什器、設備、包材、食材等は用意しなければならない物です。業種によっても違いますが、弁当屋では200万円ぐらいでした。
ここまでですでに、700万円が必要になってきます。ですので、必ず本当に必要な資金はいくらなのかを最初に本部にきっちり聞く事が重要です。
運転資金も当然必要になってきます。
モデル収支表
大概どこのフランチャイズ本部は、相談に行くと加盟希望者にモデルの収支表を提示してくれると思います。
ただこれは、あくまでもモデルだということを認識してください。
お店を構える場所、人口の多寡、営業時間、オーナーのやる気度、等によって全然変わってきます。
実際の売り上げ、利益がこれ位と提示をされても商売をした事がない人はその見かけの数字に騙されてしまします。
本部に説明を聞きにいく前に、自分で収支の内容を把握するくらい予備知識を入れておく事をお勧めします。
生活費
フランチャイズに加盟して業務を始めれば、初月から利益はでます。
ただ、その利益はサラリーマンの時のように全部自分の給与ではありません。
その利益から、税金、国民保険、年金、雇用保険etcなど今まで会社から引かれていたものは、全部自分で支払わなければなりません。
つまり、個人事業者になると言う事です。ここを履き違え無いようにしてください。
また失敗する人の多くはこの利益を全部自分のものと思って使ってしまう人です。基本的に、このような人は自営業をするのは無理ですね。
キャッシュフロー
商売を初めてやられる方は、現金の流れを掴めずにただ目の前の支払いにレジから支払ったり、金庫のお金を使ったりと家計のやりくり的な経営をされる方が多いです。
このやり方をしているとそう遠く無い将来に黒字倒産を余儀なくされます。
何でもそうですが、ここのお金の流れをしっかりと掴んでいることが、成功の秘訣です。
常に手元には現金がいくらあるのか、売掛残高、買い掛け残高、毎月の決まった支払い等を必ず把握するようにしてください。
1日の業務の流れ(弁当屋)
9:00入店 〜10:00開店までの作業
お米を洗米(16KG)炊く 弁当箱に漬物、キャベツ、スパゲッティなどをセットする 、 鶏肉の解凍
アルバイト入店
10:00~14:00
電話注文、店頭注文で約200個のお弁当を作る。
14:00~17:00 (アイドルタイム)
セットした弁当箱を補充する 、 食材、包材の発注をする 、 朝解凍した鶏肉をカットする、 煮物を作る 、その他使った漬物、セット用のスパゲッティ等を補充、茹でる
17;00~22:00
夜のアルバイト入店、電話注文、店頭注文を合わせて約100個前後作る
22:00~24:00
弁当箱のセットを補充する、レジを閉める、掃除をする
こんな感じで1日が終わります。
掃除が終わって帰る頃にはもうヘトヘトです。家には寝に帰るだけです。
これを年中無休で営業します。
ただ、ここまですれば売れ上げも自然と上がってきます。私の店も前任者から引き継いだ時は、月の売り上げが110万円だったのが一年ちょっとで350万円までいきました。
収支
フランチャイズでの原価率はかなり高いです。やく50%~55%の間です。
また人件費は13%~20%に抑えていました。ただその分自分が働かなくてはなりませんが。
これを、単純に計算すると利益が100万円出たとしても手元には約20万円〜30万円の残りとなります。
ですのでサラリーマンより収入は増えるか?と言われれば、なかなか難しいといわざる終えません。
時給単価にしたらサラリーマンよりかなり低くなります。
メリット
資金さえあれば、加盟してすぐに商売が始められる。
マニュアルは全て本部から教えてもらえるので、自分で考える必要がない。
多店舗展開ができる。
知名度があるので初月から利益が出る。
商品の宣伝、広報などを全て本部がやってくれる。
デメリット
アルバイトは自分で雇用しなければならない。
人件費を抑えようとしたら自分が大半の時間、店に入らなけらばならない。
家族との時間が取れない
好きな時に休むことは出来ない(子供の行事とかに参加が難しい)
働いた割には利益はそれほど残らない
メリット、デメリットを簡単に上げただけでもこれだけあります。
以上を読んでそれでもフランチャイズがしたいとお思いになるのは、皆さんの判断にお任せしますが、はっきり言ってサラリーマンの方が何倍も楽です。
何事もそうですが、簡単に始められるという事はそれだけ大変だって事です。
このフランチャイズで一番のデメリットは、家庭がある人は家庭崩壊が起きやすい事です。みんなが幸せになるように始めたフランチャイズで不幸になったら元も子もないですよね。
まとめ
ここまで、いろいろ述べましたが最終的にやるか、やらないかはあなた次第です。
サラリーマンを長いことしていると、、何か自分でやりたくなるものです。
組織に縛られたくない、自由にいきたい、そんな希望を持つことはとてもいい事です。
ただその方法としてフランチャイズを選ぶのはもう一度よく考えたほうが良いと思います。
今の時代、自分で何かを始める方法は昔に比べて遥かに選択肢が多くなっています。
焦って決断する前にもう一度いろんな角度から検討をしてみてください。
やり方、生き方、方法は一種類ではなく何種類もあることを頭の隅に置いておいてください。
皆様が本当の意味で幸せになられることを切に願っております。
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